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その判断、本当に正しい?確証バイアスが投資判断を狂わせる理由

「この株は上がるはずだから今が買い時だ」「今は下がっているけど、いずれ戻るはずだから継続保有だ」投資をしていると、こうした考えが頭に浮かぶことは珍しくありません。しかし、その判断は本当に正しいのでしょうか。実は私たちは、知らないうちに“ある思考のクセ”に影響され、都合のいい情報だけを信じてしまうことがあります。

そしてそれが、気づかないうちに投資判断を歪め、損失を広げる原因になっているかもしれません。私自身もその度に手痛い勉強代を支払ったことがあります。

この記事では、投資をしている人なら誰もが陥りやすい「思考のクセ」について、具体例を交えながら解説しつつ、その対処法についてお伝えします。

なぜ人は都合のいい情報だけを信じてしまうのか

例えば、あなたが「この株は上がる」と思っていたとします。
すると不思議なことに、その企業の好材料やポジティブなニュースばかりが目に入りやすくなります。一方で、業績悪化の兆しやリスクに関する情報は、「一時的なものだろう」と軽く流してしまいます。

これは意識してやっているわけではなく、多くの場合、無意識のうちに起きています。
人は、自分の考えを肯定してくれる情報を見ると安心し、反対に、それを否定する情報にはストレスを感じる生き物です。

その結果、知らないうちに「自分にとって都合のいい情報だけを集める」状態になってしまいます。そしてこの状態こそが、投資判断を少しずつ歪めていく原因になります。

その思考のクセは、確証バイアス

ここまで読んで、「なんとなく心当たりがある」と感じたかもしれません。
実はこの思考のクセには、きちんとした名前があります。
それが 「確証バイアス」 と呼ばれるものです。

確証バイアスとは、自分の考えや仮説を支持する情報ばかりを集め、反対の情報を無視してしまう心理のことです。

ポイントは、「意識的に選んでいるわけではない」という点です。
気づかないうちに
 ・自分と同じ意見の情報に安心し
 ・反対の情報に違和感を覚え
 ・その結果、情報の偏りが生まれる

こうして判断のバランスが崩れていきます。こうした行動はすべて、確証バイアスの影響です。重要なのは、これは一部の人だけではなく、誰にでも起こる“自然な思考のクセ”であるということです。だからこそ厄介で、気づかないまま投資判断を歪めてしまうのです。

確証バイアスが投資で損失を生む瞬間

この思考のクセは実際の投資でどのように影響するのでしょうか。
一番分かりやすいのは、「損失が出ているとき」です。例えば、ある株を「上がる」と信じて購入したとします。しかしその後、株価は下落し、含み損の状態になったとき、人は冷静に状況を判断するのではなく、無意識に「自分の判断が正しかった証拠」を探し始めます。

すなわち、ネガティブな情報よりもポジティブな情報を優先して取り入れてしまいます。
本来であれば、「前提が崩れていないか」「撤退すべきか」を考えるべき場面でも、判断はどんどん甘くなっていき「長期的には問題ないはず」などと考えてしまいます。

その結果、損切りのタイミングを逃し、気づいたときには損失が大きく膨らんで塩漬けに──
これは珍しいケースではなく、多くの投資家が一度は経験する典型的なパターンです。確証バイアスは、「判断を後押しする心理」ではなく、誤った判断に固執させてしまう心理でもあるのです。

私の投資失敗例

私がこれまでに1銘柄で最も大きな損失を出したのは、任天堂の株でした。
昔は投資手法も定まっておらず、このときは短期トレードのつもりで始めたものの、含み損を抱えたことで判断が鈍り、結果的にズルズルと保有を続けてしまいました。そして最終的には損失拡大に耐えきれず、中途半端に長期投資にもなりきれないまま、合計52万円を泣く泣く損切りすることに。

振り返ると、このときの私は銘柄分析をほとんど行っておらず、「メディアで取り上げられている」「上がると言われている」などという、甘い言葉だけ信じてしまっていたように思います。一方で、リスクや下落要因といった情報には十分に目を向けていませんでした。まさに、自分の考えを正当化する情報ばかりを集めてしまう「確証バイアス」に陥っていた典型例です。

なお、この銘柄は私が損失を確定させた後に株価が上昇へと転じ、もし保有を続けていれば、この記事執筆時点では120万円以上の含み益になっていました。。

確証バイアスに気づくには

この思考のクセにどう対処すればいいのでしょうか。
完全になくすことはできません。だからこそ重要なのは、早く気づくことです。
そのための方法とは、「自分の判断が変わった瞬間」に注目することです。以下には、私が過去に確証バイアスに陥って損失を被った上記の事例などを基に「危険なサイン」と反省点(対処法)をご紹介します。

危険なサイン①

<短期売買のつもりが、長期投資に変わっている>
本来は短期で利益を取るつもりだったのに、逆の動きになった途端、「これは長期で持てば大丈夫だ」と考えが変わってしまう。

これは戦略の変更ではなく、単に損失を認めたくない心理が働いている可能性があります。

危険なサイン②

<ナンピン買いを正当化している>
価格が下がったときに、「安くなったからチャンスだ」と買い増す。
一見合理的に見えますが、その根拠が「最初の判断が正しいはずだ」という前提にある場合、それは確証バイアスの影響かもしれません。

特に、「損失を取り戻したい」という感情が強くなっているときは要注意です。

危険なサイン③

<過度にリスクを取ってしまう>
普段はリスク管理を意識して投資しているつもりでも、「もう少しだけ」という気持ちが強くなることがあります。

いつもは控えめな投資スタイルの人が、一度の損失を取り戻そうと、通常よりも遥かにリスクの高い銘柄に手を出すこともあります。こうした場合、確証バイアスによって過信や欲にかられてリスクを過小評価してしまっていることが多いです。

判断を見直すための視点

こうした場面では、一度立ち止まり、次のように問いかけてみることが有効です。

 ・今の判断は、事実に基づいているか?
 ・それとも、自分の希望を正当化していないか?
 ・最初の前提は、すでに崩れていないか?

それから、含み損を抱えている場合に一番効果的なのは、『もし自分が今その株を保有していなかったとしたら、本当にその価格で買いたいか?』自分に問うことだと思います。もしその答えが『NO!』であれば、即売却すべきなのです。

このように自分の思考を客観的に見直すことで、確証バイアスに気づきやすくなります。

まとめ

投資において、私たちは誰もが無意識に確証バイアスの影響を受けています。

 ・都合のいい情報ばかり信じる
 ・損失を認めたくなくて判断を歪める
 ・普段とは違うリスクの取り方をしてしまう

こうしたクセは、自覚がないままだと損失を膨らませる原因になります。だからこそ大切なのは、自分の思考のクセに気づくことです。危険なサインに目を向け、感情に流されず判断をチェックするだけでも、投資の精度は大きく変わります。

 ・短期売買がいつの間にか長期投資になっていないか
 ・損失を取り戻そうとナンピン買いしていないか
 ・普段のリスク管理以上の資金を投じていないか

こうしたポイントを意識するだけで、確証バイアスに振り回されるリスクは減らせます。投資に完璧はありませんが、大切なのは、自分の思考に気づき、少しずつ修正していくことです。

今日からでも、自分の判断に「立ち止まる習慣」を取り入れてみましょう。それだけで、長期的に見れば損失を避け、より安定した投資が可能になります。

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