今日は少し変わった問題です。
一見すると簡単なのに、投資経験がある人ほど迷うかもしれない問題です。
ぜひ一度、自分の答えを考えてみてからお読みください。
【問題】あなたは新車を購入しようとしています
同じ新車を扱う2つのお店があります。
A店
- 今日100万円支払う。
B店
- 今日200万円支払う。
- 20年後に200万円を全額返金してくれる。
さて、あなたならどちらを選びますか?
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「20年後とはいえ、全額返ってくるなら実質タダでは?」
そう感じた人もいるかもしれません。
では、続きを見てみましょう。
投資家ならどう考えるか?
B店を選ぶと、追加で支払った100万円は20年間戻ってきません。
つまり、その100万円を
- 投資する
- 別の買い物に使う
- 緊急時の資金として持っておく
という選択肢を失うことになります。
ここで一つ追加質問です。
もし、その100万円を年利3.6%程度で運用できたらどうなるでしょうか?
答えは…
約20年で200万円になります。
つまり、
B店から20年後に返ってくる200万円は、
「今ある100万円」を約3.6%で運用した結果とほぼ同じ価値なのです。
今日の100万円と20年後の200万円の価値は?
投資の世界では、「いつ受け取るか」がとても重要です。
同じ200万円でも、
- 今日受け取る200万円
- 20年後に受け取る200万円
では価値が違います。
なぜなら、今日受け取れば、そのお金を運用してさらに増やすことができるからです。
この考え方をお金の時間価値(Time Value of Money)と呼びます。
実は株価も同じ考え方で決まっています
「車の話と株価に何の関係があるの?」
と思うかもしれません。
実は、大いに関係があります。
企業の価値は、将来生み出す利益を現在の価値に換算して評価されています。
例えば、10年後、20年後に大きく利益を出す会社があったとしても、その利益は「未来のお金」です。
未来のお金ほど価値は小さく評価されます。
だから、金利が上昇するとグロース株が下がりやすいと言われるのも、この考え方が背景にあります。
投資家は、「いくら稼ぐか」だけではなく、「いつ稼ぐのか」まで見ているのです。
さらに、この問題にはもう一つ考えるべきことがあります
実はここまでの話は、20年後に必ず200万円が返ってくるという前提でした。
でも現実はどうでしょう。
20年間、そのお店が経営を続けている保証はありません。
もし倒産してしまえば、「20年後に返金」という約束は守られない可能性もあります。
つまり、将来のお金には
- 時間価値
- 不確実性(信用リスク)
という2つの要素があります。
投資家はこの両方を考えながら資産を評価しています。
まとめ
今回の問題で重要なのは、「20年後に200万円返ってくるから得」という話ではありません。
本当に大切なのは、
お金は金額だけではなく、「いつ受け取るか」で価値が変わるということです。
そして現実には、本当に受け取れるのかというリスクも加わります。
株式投資でも、債券でも、不動産でも、資産の価値を考えるときに見ているのは、金額だけではなく、時間とリスクです。
この2つの視点を持つだけで、投資の見え方は大きく変わってきます。
オマケ
ここまで読んでくださった方に、最後にもう一つだけ問題です。
もしB店が…
- 5年後に200万円返金だったら?
- 30年後に200万円返金だったら?
- 返金するのが世界有数の優良企業だったら?
- 逆に、創業したばかりの会社だったら?
- 今後20年間で物価が大きく上昇するとしたら?
あなたの答えは変わるでしょうか。
もし変わるのであれば、その理由を少し考えてみてください。
その答えの中には、
- 「時間」を重視しているのか
- 「リスク」を重視しているのか
- 「リターン」を重視しているのか
あなた自身が投資で何を大切にしているのかが隠れているかもしれません。
投資には唯一の正解はありません。
だからこそ、自分がどんな考え方で判断しているのかを知ることが、長く投資を続ける上で大きな強みになると私は思っています。

