2025年度の国の一般会計税収が84.2兆円程度になり、6年連続で過去最高を更新する見通しとなりました。
このニュースを見ると、「税収がこんなに増えているなら、消費税を下げられるのでは?」と思った方も多いのではないでしょうか。
実際、政府内では2027年4月から飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げる案も検討されていると報じられています。
一方で、「税収は過去最高なのに減税は難しい」という説明も聞こえてきます。
今回は、このニュースの裏側を投資家の視点から考えてみたいと思います。
税収84兆円の中身を見ると見えてくるもの
今回の税収増加で注目したいのは、その内訳です。
- 消費税:26兆円(前年比+1兆円)
- 所得税:25.3兆円(前年比+4兆円)
- 法人税:21.7兆円(前年比+3.8兆円)
特に目を引くのが法人税収の増加です。
法人税は企業の利益に対して課される税金です。
つまり法人税収が大きく伸びているということは、日本企業全体として利益が拡大していることを意味します。
近年は、
- 円安による輸出企業の追い風
- 値上げの浸透
- インフレ環境への適応
などを背景に、多くの企業が過去最高益を更新してきました。
税収過去最高というニュースは、実は日本企業の稼ぐ力が強くなっていることを示すニュースでもあるのです。
「国の借金が多いから減税できない」は本当か
税収が増えても減税が進まない理由として、「国債残高が大きいから」という説明を耳にすることがあります。
もちろん、日本の債務残高が大きいことは事実です。
ただし、ここには少し誤解されやすい部分もあります。
国債は住宅ローンのように一括返済してゼロを目指すものではありません。
実際には満期を迎えた国債を新たな国債で借り換えながら運営されています。
これは日本だけでなく、多くの先進国で一般的な仕組みです。
そのため、「借金が多いから絶対に減税できない」という単純な話ではありません。
むしろ重要なのは、増えた税収を何に使うのかという政治的な判断です。
本当の争点は「減税」か「支出」か
税収が増えたからといって、そのお金が自動的に減税へ回るわけではありません。
政府には、
- 社会保障費
- 防衛費
- 子育て支援
- 国債費
など、多くの支出があります。
つまり現在の議論は、「減税できるかどうか」ではなく、「増えた税収を減税に使うのか、それとも別の政策に使うのか」という選択の問題になりつつあります。
税収84兆円という数字は、この議論をさらに活発にするきっかけになるかもしれません。
投資家が本当に注目すべきポイント
今回のニュースで注目が集まるのは消費税減税の可能性でしょう。
しかし、投資家としては少し違う角度から見ることも大切です。
消費税が下がるかどうかは、
- 選挙結果
- 政治情勢
- 与野党の協議
などによって変わります。
正直なところ、予測は簡単ではありません。
一方で、法人税収が大きく増えているという事実は既に起きている現実です。
これは企業利益の拡大を示しています。
株価の長期的な源泉は企業利益です。
そう考えると、減税議論の行方を追い続けるよりも、利益を伸ばしている企業に目を向ける方が投資家にとっては重要かもしれません。
まとめ
税収84兆円という数字を見ると、「なぜ減税しないのか」という議論に目が向きがちです。
しかし投資家として注目したいのは、その背景で法人税収が大きく伸びていることです。
税制や政治の行方を予想するのは簡単ではありません。
だからこそ、ニュースの見出しに振り回されるのではなく、企業がどれだけ利益を伸ばしているのかに目を向けたいところです。
税収過去最高のニュースを見たら、「減税するのかしないのか」だけでなく、「どの企業が利益を伸ばしているのか」を調べるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
投資家にとって本当に重要なのは、政治の予想よりも、企業の成長を見極めることなのかもしれません。

