PR

2倍より3倍、3倍より4倍のほうが簡単? 資産形成で知っておきたい「増加率」のカラクリ

投資を始めたばかりの頃は、資産がなかなか増えません。

100万円を投資して、1年間で5%増えたとしても、増えるのは5万円です。

もちろん5万円は大きなお金ですが、資産形成という目線で見ると、これだけで生活が変わるほどではありません。

ところが、投資元本が1000万円になると、同じ5%でも50万円。

5000万円なら250万円です。

運用利回りが同じ5%でも、元本が大きくなるほど「増える金額」は急激に大きくなります。

これが、資産形成を続けていると途中から「資産が増えるスピードが変わってきた」と感じる理由の一つです。

100万円の5%と5000万円の5%は同じ5%

数字で見てみましょう。

投資元本5%増えたときの利益
100万円5万円
500万円25万円
1000万円50万円
3000万円150万円
5000万円250万円
1億円500万円

同じ5%という運用成績でも、元本によって利益額はまったく違います。

ここで重要なのは、投資の上手さが変わったわけではないということです。

どちらも5%という同じリターンです。

変わったのは、運用している金額だけです。

つまり、資産形成では「利回りを高めること」だけでなく、運用元本そのものを大きくしていくことが非常に重要になります。


最初の100万円が遠く感じる理由

資産形成の序盤が苦しいのは、運用益だけでは資産がほとんど増えないからです。

年5万円の利益であれば、毎月の生活費や給与と比べても、投資による増加額はまだ小さいでしょう。

しかし運用額が増えると、1年間の値上がりだけで、普通に働いて得る収入の一部に匹敵するような金額が動くこともあります。

つまり長期的に見て、元本が大きくなるほど、同じ値動きが資産額に与えるインパクトは大きくなるという構造は変わりません。


資産形成には「雪だるまが大きくなる」感覚がある

複利の効果を考えると、さらに面白いことがあります。

たとえば1000万円を5%で運用すると、1年後には1050万円。

次の年に5%増えれば、1050万円 × 5% = 52.5万円です。

さらにその翌年には、1102.5万円 × 5% = 55.125万円となります。

最初は50万円だった年間の増加額が、少しずつ大きくなっています。

これが複利です。

利益を再投資すれば、過去に生み出した利益まで次の利益を生む側に回ります。

最初は自分の入金が資産形成の主役です。

資産が大きくなってくると、次第に運用による資産増加の存在感が大きくなっていきます。


「2倍になる」より、その先のほうが増加率は小さくなる

もう一つ、資産形成や株価を見るうえで面白いポイントがあります。

それが、資産が大きくなるほど、同じ金額を増やすために必要な上昇率は小さくなるということです。

たとえば100万円が200万円になるには、100%の上昇が必要です。

しかし200万円が300万円になるために必要なのは50%です。

300万円から400万円なら33.3%程度です。

表にすると分かりやすくなります。

スタートゴール必要な上昇率
100万円200万円100%
200万円300万円50%
300万円400万円約33%
400万円500万円25%
500万円600万円20%
1000万円1100万円10%
5000万円5100万円2%

100万円を200万円にするには、資産を2倍にしなければなりません。

これはかなり大きなハードルです。

ところが5000万円を5100万円にするだけなら、必要なのはわずか2%です。

もちろん「100万円増やす」という金額自体は同じです。

違うのは、それが元本に占める割合です。


株価が2倍になった後は、3倍、4倍が意外と近く感じる

これは個別株の株価を見るときにも使える考え方です。

ある銘柄の株価が1000円だったとします。

1000円から2000円になるには、100%の上昇が必要です。

かなり大きな値上がりです。

しかし2000円から3000円になるために必要なのは50%です。

3000円から4000円なら約33%です。

さらに、

4000円→5000円なら25%
5000円→6000円なら20%
9000円→1万円なら約11%

です。

つまり、株価が上昇するほど、次の1000円を上乗せするために必要な上昇率は低下していきます。

これは「株価が上がるほど簡単に上昇する」という意味ではありません。

企業価値や業績、バリュエーションなどが変わらなければ、株価がさらに上昇するとは限りません。

あくまで数学的に、同じ金額を増やすための必要上昇率が低下するという話です。


「100万円を作る」の難しさは、資産額によって変わる

この考え方は、FIREや資産形成を考えるうえでも重要です。

100万円から200万円まで100万円増やすには、元本に対して100%の増加が必要です。

しかし1000万円から1100万円なら10%。

3000万円から3100万円なら約3.3%。

5000万円から5100万円なら2%です。

同じ100万円を増やすだけなのに、必要なリターンがまったく違います。

そのため、資産形成の初期段階では、「投資だけで資産を増やそう」と考えるより、入金力を高めることが非常に重要になります。

100万円を200万円にするために、株式投資だけで100%のリターンを狙うのは簡単ではありません。

一方で、年間100万円を追加投資できれば、運用益を待たずに資産を100万円増やせます。

だからこそ、資産形成の初期では、

収入を増やす
支出を抑える
余剰資金を投資する

という地道な作業が大きな意味を持ちます。


ある程度の資産を築くと「運用益」の存在感が変わる

資産が増えてくると、今度は状況が変わります。

たとえば年間100万円を追加投資している人がいたとします。

資産1000万円で5%の運用益が出れば、年間50万円。

入金100万円と合わせて、資産は150万円増える計算です。

ところが資産5000万円なら、5%で250万円。

同じ年間100万円の入金でも、入金100万円に対して、運用による増加が250万円となります。

もちろん実際の株式市場では毎年5%で増えるわけではありません。

むしろ、1年間で10%、20%下落することもあります。

それでも資産規模が大きくなると、資産増減の中心が少しずつ「自分の入金」から「市場の値動き」に移っていきます。

ここが資産形成の大きな転換点です。


ただし「資産が増えれば必ず加速する」わけではない

資産が大きくなれば、必ず右肩上がりで増えるわけではありません。

むしろ、資産が5000万円あれば、株式市場が20%下落したときには、

5000万円 × 20% = 1000万円

もの評価額が減る可能性があります。

資産が1000万円なら200万円の下落です。

つまり、資産が大きくなると、増える金額だけでなく、減る金額も大きくなるということです。

これは資産形成の後半で特に重要です。

資産規模が大きくなるほど、日々の値動きそのものが無視できない金額になってきます。

だからこそ、資産が増えた後はリターンだけでなく、リスクをどこまで受け入れられるかも重要になります。


資産形成の序盤と後半では、戦い方が変わる

資産形成を単純化すると、こんなイメージになります。

序盤

入金の力が大きい。

投資だけで資産を大きく増やすのは難しい。

中盤

入金と運用益の両方が効いてくる。

1000万円の5%なら50万円。

後半

運用益の存在感が大きくなる。

さらに先

資産そのものの値動きが非常に大きくなる。

1億円の5%なら500万円。

この段階になると、毎月いくら積み立てるか以上に、資産全体をどのように管理するかが重要になってきます。


投資で大切なのは「一発で増やす」ことではない

資産が増えるスピードを見ていると、早く大きな資産を作りたくなります。

しかし、ここで高いリターンを狙いすぎるのは注意が必要です。

100万円を200万円にするために、100%のリターンを狙う必要はありません。

時間をかけて資産を大きくしていき、その過程で得られた利益も再投資する。

そうすれば、資産が大きくなった後には、以前より小さな利回りでも大きな金額が動くようになります。

資産形成では、最初から大きなリターンを狙うより、大きな元本を作ること自体が一つの戦略になります。


まとめ

資産形成の面白いところは、資産が大きくなるほど「同じ%」の意味が変わっていくことです。

100万円の5%は5万円。

1000万円の5%は50万円。

5000万円の5%は250万円。

そして、同じ100万円を増やす場合でも、

100万円→200万円は100%。

200万円→300万円は50%。

300万円→400万円は約33%。

5000万円→5100万円なら2%です。

もちろん、これは「資産が大きくなれば簡単に増える」という話ではありません。

株式市場には下落もあり、資産が大きくなれば損失額も大きくなります。

それでも、長期投資を続けるうえでは、この数学的な構造を知っておく価値があります。

最初は、自分の入金が資産形成の主役です。

少しずつ資産が大きくなれば、今度は運用益の存在感が増えていきます。

そしてある時から、「資産を増やすために働く」だけではなく、「積み上げた資産そのものが資産を増やす」という感覚が強くなってきます。

資産形成の序盤は、なかなか成果が見えません。

だからこそ、最初の数百万円、1000万円までをどう積み上げるかが大切です。

そして、その先に待っているのが、資産が資産を生み出す力が徐々に大きくなっていく世界なのです。

序盤で焦って高リスクを取らず、時間を味方にして投資をやめない仕組みを作っていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました